腹割り小噺〜投資と筋トレと私〜

アラフォー医師の成長日記

脳が認める勉強法 を読んで

  • 脳が認める勉強法 を読んで

「学習を日常生活の一部にし、厄介ごとだと思わないようにすることが本書の目的だ」

「正しい答えを出すたびに自動的に報償を与えても、ほとんど学習にはつながらず、断続的にときおり報償を与えるほうが、はるかに学習効果が高いのだ」

 

ガリガリするだけの勉強よりも効率的にできる方法はあると思います。

ただ、効率だけを求めていると近道をしすぎて、知識の枝葉や経験を取り損なってしまうような気もします。

子供や後輩に教えるときに、自分が試行錯誤した結果の上澄みとしての工夫や仕込みをどう伝えるかは難しいと最近感じます。

本書では 分割して覚えることや、勉強の環境を変えることの有効性をエビデンスを持って書いています。

 

記憶の復元の章で出てきた「実験」には驚きました。
私は仕事柄実験の情報に触れることが多いと思っています。
が、より臨床的=治療に直結した形のものです。
例えば新しい抗がん剤が今まで使っていたものと同等の効果がある といったものです。
本書で紹介されていた実験の1つに18人のダイバーに水深6mで36の単語を覚えさせ、2グループにわけた1グループには一時間後陸地でテストを行い、もう一方のグループには覚えた時と同じ水中でテストをするというものでした。
結果はなんと水中の方が30%も多く正解したとのことでした。
予備実験をして、ダイバーを集めて・・・と手順を踏んでまでそんなことをしたんだと思ってしまう私も博士号を持つ科学者の端くれです。

 

全体的に訳書らしく読みにくいところもありましたが、内容は非常に面白い、今後使えそうな内容でした。

時間がない方は最後のまとめだけを見てもいいかもしれないです。