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本当に久しぶりに小説を読み通しました。
社会人となってから初めてではないでしょうか。
なんとなく時間がない気がして、
小説や映画、ドラマを見ることとかが何も自分の血肉にならないような気がして。
小学生から中学生まではよく本を読んでいました。
(高校生を飛ばして)大学生になってからも、本作の著者である伊坂幸太郎や石田衣良、重松清 らをよく手に取りました。
スーッとスピード感を持って読める感じが好きだったように記憶します。
昨年度から投資や片付けに関する本をよく読んできて、食傷気味だったことは否めません。
ちょうど図書館で小説の「あ」「い」のあたりの棚を通ったこともあり久しぶりに小説を手に取りました。
本作は、タイトルからも想像はしていませんでしたが、なんと車が主人公です。
車の視点から登場人物が描かれます。
人間の登場人物が車を降りてしまえば、主人公は蚊帳の外になってしまいます。
逆に渋滞の時など車同士での情報交換ができていても、人間にはその情報は伝わりません。
緑のデミオを中心に色々な車が登場し、緑デミオの持ち主の周りで起きたいくつかの事件が絡み合っていきます。
ところどころに車ならではの表現が見事に入ってきます。
ある夫婦の意見がぶつかり合ったとき、お互い様であることを「どっちが青かわからない時は、速度を落としてのろのろと、様子を見ながら、道を譲り合わなくてはいけない」と車たちは言います。
また、車のお手上げは「ガルウイングドアの気分」と言うそうです。
悪い登場人物が出てくるものの読後感の良い一作でした。
フランク・ザッパをyoutubeで早速聞いてみましたが、想像していたのと違いジャズではありませんでした。
校長先生が勧める感じでもなく感じました。